- 島根鳥取へ行く前のこと
- 島根鳥取旅行1日目
- 川京で創作郷土料理を楽しむ
- 島根鳥取旅行2日目その1(出雲大社)
- 島根鳥取旅行2日目その2(日御碕)
- 島根鳥取旅行2日目その3(稲佐の浜~島根県立古代出雲歴史博物館)
- 島根鳥取旅行2日目その4(昼食とおやつ)
- 島根鳥取旅行2日目その5(旧大社駅~出西窯~一畑電車)
- 島根鳥取旅行3日目その1(境港)
- 島根鳥取旅行3日目その2(昼食~美保神社)
特急やくもという電車
東京から岡山まで新幹線で行き、「特急やくも」に乗り換えて、松江まで行く。レトロな車体がかわいい…!とテンションが上がるも、すぐその異様な揺れに困惑することになる。
よく京急が暴走列車で揺れがひどいなどと言われるが、その比ではないほどやくもは揺れる。学生時代、京急横浜〜戸部のカーブで電車酔いしていた三半規管の弱い私は、もちろん酔った。ためしに「特急やくも 揺れる」で検索すると、たくさん記事が出てくる。写真をインスタにアップしたら「結構ゆれる」というコメントが付いていた。
12時半、松江着。空気が柔らかく身体が楽な土地で嬉しくなる。理屈ではなく身体に合う土地合わない土地というのが私にはあって、島根はどうやら合うっぽい。嬉しかった。
湯町窯
宍道湖北岸沿いを走る一畑電車。来る直前に、映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の電車だと知った。車窓からの景色はさぞや美しかろうなあとレンタカーから黄色い車体を見つめつつ、湯町窯へ向かう。
湯町窯に着いた。チャイムを鳴らしてもなかなか人が現れず、店内を覗き込んでいると、「どうぞ~」というのんびりした声がスピーカーから聞こえてきた。現れたのは、湯町窯三代目の福間琇士さんご本人。てっきり店番の人が出てくると思ったのでびっくり。
福間さんは、私たちが宝探しや写真を撮っている間、お抹茶やお菓子を出してくださったり、出雲弁、バーナードリーチ、棟方志功、いろんな話をしてくれ、とても楽しい時間を過ごさせていただいた。また、旧知の方が我が家の近所で喫茶店をされているそうで、その偶然にも驚いて話が盛り上がった。
写真を一緒に撮らせてくださいとお願いすると、顔を赤くして照れていたのがとても印象的で、その写真はここには載せないけれど、この旅で一番の思い出となった。
出雲弁ポスター。西の横綱「だんだん」は「ありがとう」の意味。福間さん、だんだんね~!
湯町窯のすぐそばに、平安時代から三名泉(『枕草子』)とされ、規模、歴史ともに島根県随一の山陰を代表する温泉地である「玉造温泉」がある。時間はなくとも足湯くらいしていきたいと寄り道。100円でタオルを販売しているので、無計画にふらりと立ち寄っても大丈夫。
お昼を食べていなかったため、たこ焼き 櫻でねぎ焼きとタルタルのたこ焼きを食べた。美味しかったし、良い時間の使い方をした。ちなみに玉造温泉は縁結びのパワースポットらしく、公式サイトも女性向けな雰囲気。
玉造温泉から南下すること20分ほどして、須我神社に到着。
須我神社
『古事記』によれば、須佐之男命は八岐大蛇を退治した後、妻の稲田比売命とともに住む土地を探し、当地に来て「気分がすがすがしくなった」として「須賀」と命名し、そこに宮殿を建てて鎮まった。これが日本初の宮殿ということで「日本初之宮」と呼ばれ、この時に須佐之男命が詠んだ歌が日本初の和歌ということで、「和歌発祥の地」とされている。(Wikipediaより引用)
はい、スサノオさん出ました。メガテニストには破壊神でお馴染みですね。
仲魔はタルカジャ支援の戦い方が多いからスサノオ使ったことない
基本カオスルートなのであんまりアマテラスも使ったことない
使えないので使ったことない
中盤の回復役で結構つかえるしビジュアルも良いのよね (ところで最初女神だったのに途中から地母神になったよね…)
高天原で暴れたスサノオが、姉さんのアマテラスの怒りを買って追放され、たどり着いた場所で、ヤマタノオロチの生贄にされそうな美しい娘に出会う。それがクシナダ姫(美人)。奮起したスサノオは見事ヤマタノオロチを討ち果たし、クシナダ姫を妻に娶った。そして八雲山の頂上で、風景を眺めながら詠んだのが『八雲立つ 出雲八重垣妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を』という、日本で初めての和歌なのです。
そう、あの『八雲立つ』の元ネタ…!もちろんこの漫画の前から神話は知っていたけど、この漫画以後は憧れが特に強まりましたわね…。というわけで、鼻息荒くしながら参拝。しかし、場所が離れているからか参拝客が誰一人いなかった。日本初之宮なのに…。
日本初之宮の石碑
掃き清められてとても明るい気持ちになる境内
山陰に多いお尻をあげた狛犬で、出雲型と呼ばれる。これは穴まである
「八雲立つだウオオオ」とずっと小声でつぶやいていた(不審者)
絵馬にも和歌
右奥にある急な階段と坂道をひたすら登っていくと、禁域が。時間がないので挨拶をした後、急いで下山。車で10分しない距離に、奥の宮への入り口がある
八雲山登山口。奥の宮はここから登る。入り口にある杖を借りて、いざ
のどか…
しばらく登ると鳥居が見えてきた。ここから神域という感じで身が引き締まる
みそぎ場。ひんやりとした空気が吹き下ろしてきて心地良かった
竹の柄杓
神域といってもとても明るい雰囲気で、まさに”すがすがしい”という言葉がぴったり
急な階段。杖がないときつく息が上がる。後から来た老夫婦が、我々を追い越してすいすいと登って行った。杖なしで…
八雲山の岩神様、夫婦岩に到着。一番大きいのが須佐之男命、中くらいが奇稲田比売命、小さいのが子どもの清之湯山主三名狭漏彦八島野命と言われていて、この3つが寄り添っている。
堪能したのち下山するかと思ってふと見ると、横道が。ずんずん進んでいくと、どんどん険しい坂道や階段が現れる。しばらく無言で登り続け、そろそろ頂上きたんじゃない系?と思いきや
6番目の位置だったという…。次は朝イチで来て、八雲山の頂上に辿り着きたい。晴れた日には宍道湖から中海、大山や隠岐島まで見えるそう。山霧や雲海が眼下に広がることもあるらしい。
和歌が刻まれた石が設置されている
水音と風の音しか聞こえない
秋の日は釣瓶落とし
次に向かったのは熊野大社。ここの周りも雰囲気抜群
熊野大社。奈良時代の天平5年(733)に編纂された『出雲風土記』にすでに「熊野の大社」と記されている古い神社で、出雲大社より前に一の宮とされていた。
歴史も古いし、熊野大社が祀っているのはスサノオで、出雲大社は義理の息子のオオクニヌシなので、熊野大社の方が格上扱いらしい。
毎年10月15日に出雲大社宮司が、その年に収穫したお米で作った1メートルもある神餅を熊野大社に渡し、引き換えに臼と杵(ヒキリウスとヒキリキネ)で起こされた神火を受け取るという「鎮火祭」が行われる。でも熊野大社側は、餅の出来に毎回文句を言ってなかなか神火を渡さないそうな。
毎回ケチつけるってどんな儀式よ…と思わず笑ってしまうけど、神火は、熊野大社の宮司さんが臼と杵をひたすらこすり合わせ摩擦熱でおこす大変なものなんだとか。
最近は縁結び関連で、観光客もまあまあいる。外国人観光客の姿もちらほら。
日本むかし話のような風景
八重垣神社は時間切れ(17時まで)のため、18時までの袖師窯まで急いで向かうと、ろくろを回す職人さんの姿が
お店で器を選んだ後、外から覗いていると「中にどうぞ〜」と招き入れられ、お言葉に甘えることに。細かい作業のところは息を止めないとならなくて、「でもそれやると身体に負担がかかるから先代は早く亡くなっちゃってね〜自分はそれやらないの。息吐いちゃう。フフッ」とかサラッと大変なことを話されて、器好きとしては全霊でありがとうございます…!という気持ちに。短い滞在時間でもとても楽しかった。
夕食の予約が19時なので、慌ただしく移動→チェックイン→荷物置き→お店へ。つづきます