冷たい雨の日。毛布の温もりにずっと包まれていたかったけど、9時半に起きる。珍しく朝時間があった夫が猫らに朝食をやってくれたので家事をして、お昼を食べに近所の気に入っているうどん屋に行く。いつも冷やしで食べていた、めかぶと温玉のうどんを今日は温かいので注文した。温かいのも美味しい。
新しく買った大きな爪とぎが届いたので居間に置いてみる。今までならマチ子が先陣を切って新しいものを試してくれたけど、それもないので誰も乗らない。またたびを振りかけたら集まってきたけど、すぐ放置される。まあ猫あるあるですね。たまにでも使ってくれるといいな。
夜は中村佳穂のライブだった。出かけようと玄関のドアを開けると冷たい雨がザーザー降っていて、思わずドアを閉じて「これ無理じゃない!?」と言ってしまうが、なんとかもう一度ドアを開けて出かける。ズボンがずぶ濡れになって、もう帰りたい気持ちでいっぱいになりながらなんとか電車に乗り込み、座れたので一息ついてカバンの中を探るとなんとライブのチケットがないではないか。「オワタ……」と一瞬思ったが、まだ間に合うかもしれないと次の駅で降りて引き返しながら夫に連絡。駅までチケットを届けてもらう。前にもいつメンとの旅行の時に財布を忘れて届けてもらったことがあったのだけど、またしてもやってしまった。こういう時、即座に行動してくれる夫には感謝しかない。そんなこんなで運よく開演前に着くことができた。
実に3年ぶりとなるライブ。圧倒的だった。当たり前だけど、テレビで見るのとは全く違う音圧。繊細なビブラート。どこまでも伸びていく声。音楽の神様がいるとしたら中村佳穂は完全に愛されているし、姿形は人間だけど音の精の化身か何かなんじゃないかと思った。音が踊っているように見える。彼女から溢れ出る音を浴びて、私は何度か泣いた。歌が上手い歌手はたくさんいるけれど、こんな感覚になる人は初めて。そして演奏がまたべらぼうに上手い。まさかのドラムバトルもあって楽しい。アンコールでの一般募集で集まった人たちによるコーラスも良かった。声を出して歌えない観客の代わりに歌ってくれたようで嬉しかった。行く前は寒かったけど、帰りは身も心も温かかった。
ライブを反芻しながら風呂に入り、この感動を少しでも書き残したくてパソコンを起動しこれを書いている。今夜はなかなか眠れないかもしれない。