新潟県十日町市にある「光の館 - House of Light」。ジェームズ・タレルが谷崎潤一郎の「陰影礼賛」にインスピレーションを得て作った建物で、第一回「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2000年)の時に作られました。
タレルの作品は、直島と金沢で見てきましたが、しばらくの時間上を見上げるだけというのは変わらないけれど、光の館はなんとそこに泊まれて寝ながら体験できるのが特徴。在華坊 (id:zaikabou)さんの記事を読んでからずっと憧れの場所でしたが、人数が集まらないとなあ…と思って諦めていました。
ところが、ここ5年くらい前から毎年、友人12人くらいで旅行に行くのが恒例になっていて、そのひとりが、「光の館に泊まってみない?」と提案&予約してくれたんです。「やっと泊まれる!憧れの!光の館!やったー!」と歓喜の舞を踊ったのが去年の11月(予約できるのは半年前の1日からのため)。年々時の過ぎるのが早くなる一方の今日この頃、あっという間に予約の6月9日になりました。梅雨入りしてしまったので天気が心配でしたが、なんとか曇りマークでホッ…。
東京駅に集合し、上越新幹線で越後湯沢まで行きます。そして友人が予約してくれていた、むらんごっつぉでランチしました。ランチ内容は、たべのみくらし2に書いたので、そちらを見てみてください。
地産地消の食材が使われたしみじみ美味しいおかず、そして炊きたての魚沼産こしひかり…!最高のご馳走でした。やっぱり米どころのお米は違うねー!と大満足のランチで満腹に。
食後のお茶を飲みながら、翌朝のごはんをどうするか相談しました。夕飯は仕出し弁当3000円でかなりボリュームがありそう、翌日の昼は蕎麦と天ぷらにするし、朝ごはんそんなに食べられないよね…。光の館には調味料もないし、あまりあれこれ買っても帰るときに困るから、卵かけご飯とキュウリに味噌つけて食べよう。果物も買おう。そんなことを話して、駅の土産物屋さんで、友人おすすめの美味しい日本酒(高千代)とちょっと良い醤油、蕗味噌などを買いました。
憧れのぽんしゅ館を覗きつつ、いざ十日町駅へ。しかし予定より大幅に発車時間が伸びてちょっと焦ってくる。
到着。光の館のチェックインは16時。その時間までに全員揃って説明を聞かないとならないのですが、この時すでに15時20分くらい。十日町駅から光の館まで車で20分くらいかかるので、買い物時間が少ししかありません。
十日町駅のそばにある、リオンドールという大きなスーパーで買い出しです。リオンドールは、生鮮食品売り場だけでなく、本屋や文房具屋、ゲームセンター、100均などもあり、近隣の人の憩いの場といった雰囲気でした。
超特急で分散して買ったのは、飲み物と朝食用の食材(魚沼産こしひかり2キロ、ちょっと良い卵1パック、キュウリ、トマト、葉生姜、小玉スイカ)、氷、おつまみ、お菓子。100均で、ウェットティッシュやキッチンペーパー。文房具屋で、スケッチブックも買いました。後から思えば、このときゴミ袋も買えば良かったかな。(買い物したビニール袋でなんとか足りましたが)
駅前に戻り、タクシー3台で光の館に向かいます。向かう途中、友人が翌日のリムジンバス(タクシー3台分よりリムジンバスが安いとのことでした)を予約してくれて帰りの足も確保。
そんなこんなでギリギリ到着…!焦ったー!
光の館は宿泊施設であると同時に美術作品であるため、他の宿泊施設にはない利用条件があります。屋根が開閉するアウトサイドインの部屋で、スタッフさんから渡された誓約書を代表者が読み上げ、全員がそれに署名。その後、館内を案内してもらいます。屋根も開けてくれました。
早速みんなで寝っ転がって天井を見上げる。
ライトプログラムがないとこんな感じで空が見えます。天井が開くと部屋が一気に明るくなる。
アウトサイドインの部屋から見える景色
回廊。回廊に出せるテーブルもあります。
玄関
お風呂
洗面所兼トイレは2つ。ドライヤーも2つ。アメニティは綿棒とコットンだけなので、基礎化粧品や歯ブラシ、パジャマは持参する必要があります。
500円でレンタルした寝具とタオル(バスタオル、スポーツタオル)
トイレとお風呂と繋がっていて脱衣所がなく、トイレが着替え室代わりになるため、買ってきたスケッチブックにこんな感じで書いて置きました。先人の知恵に感謝…。
お風呂は電気がない、かつ床がとても滑りやすいとのことで(スタッフさんも朝掃除の時に転んだとのこと)、ビビった女性陣は明るいうちに入浴することに。さっぱりして出てきたら、男性陣がテーブルセッティグをしてくれていました。ありがとう…!
仕出し弁当3000円はこんな感じです。豪華…!そして量が多い…!おかずはどれもご飯がススム味で美味しい…!そしてやっぱり米が美味い…!みたいな感じです。そうこうしてるうちにライトプログラムが始まる。
上を見て
色の中でご飯を食べて
上を見て
上を見て
上を見ては
ご飯を食べる…。お腹がいっぱいすぎてお酒があまり進まないという状況に…。余裕を持って大量に買い込んだのに、全然減りませんでした。次は仕出し弁当2000円でいいかもね…と話したり。けんちん汁も食べられなかったので、翌朝のごはんに食べようと鍋ごと冷蔵庫へ。
そしてプログラムが終わり、片付け。翌朝は3時半ごろに日の出のプログラムが始まるので、早めに寝よう!と10時ごろには寝支度を開始。1階の広い部屋を女性(6人)の寝室に、アウトサイドインの部屋が男性(3人)の寝室にしました。
寝る前に、夜の風呂を見に行く。足先だけ湯につけて、ぼんやり光るのを眺めました。不思議だなあ。でも暗すぎて怖いね、やっぱ明るいうちに入ってよかったね、などと話す。タレルには悪いけど、転んで死にたくない…という気持ちを強くしてしまいました。
そして朝。というかまだ夜中。日の出のライトプログラムが始まる時間になり、女性陣は掛け布団を持ってアウトサイドインの部屋に移動。
ピンク
部屋は真っ赤になったり
紫になったり
だんだん空が明るくなっていき
プログラム終了。ちょっと仮眠をとって、朝風呂に入って、朝食の準備。
台所から見える緑が眩しい…。台所はちゃんとした作りで、基本的な調理器具と食器、冷蔵庫(冷凍庫もあり)、電気厨房機器、皿洗い機があるので、本格的に料理したい人にもバッチリ対応。
炊きたてごはん、昨夜残したけんちん汁をあたためてよそいます。
魚沼産こしひかりにちょっと良い卵、醤油で卵かけご飯!
野菜に越後湯沢で買ってきた蕗味噌をつけて。美味しい…!
今年初めてのスイカ。西を向いて笑うのを忘れた。
こんな感じの朝食でした。ちなみにお米は9人で4合。ちょうど良い量でした。
食後は食器を洗い片付け、ゴミを集めて出し、テーブルを片付け、シーツと枕カバーを外して布団を片付けなどなどみんなでして、原状回復。役割分担せずとも、それぞれ率先して片付けていく様子にちょっと感動しました。
宿代は、寝具とタオル代、仕出し代とあわせてひとり1万円弱でした。
美味しかったサラダホープ。東京の方では売られていないのはなんでだろう。美味しいのに〜。
チェックアウトの10時まで時間があったので、残っていたビールを飲みながら暫しのんびり。「連泊したい…」とみんなの口から漏れていて、わかる、わかるよ…って思った。
そしてチェックアウト。スタッフさんに集合写真を撮ってもらい、来ていたリムジンバスに乗り込んで、光の館を後にしました。
時間があったので、再びリオンドールへ。お土産を買って
越後湯沢に戻ってきました。ランチは、そば処 中野屋へ。ランチ内容は、たべのみくらし2に書いたので、そちらを見てみてください。
そば処 中野屋 湯沢本店で、へぎそばと天ぷら@越後湯沢 - たべのみくらし2
食後は、ぽんしゅ館を覗いたりお土産を買ったりして、上越新幹線に乗車。
私が買ったお土産は、館で飲んでその美味しさに驚いた高千代でした。
カメラロールはみんなこんな感じに…。
心配していた天気も両日とも大丈夫で、ライトプログラムを2回ともバッチリ眺められたし、本当に最高の時間を過ごせました。特に、日の出の時間のライトプログラムは、布団にくるまり眠気でぽわんとした状態で眺められて素敵だったなあ…。東京に戻ったら雨がザーザー降っていて笑ってしまった。
さよなら新潟、光の館、また来るよ…!